目次
日米貿易摩擦とは
日米もかつては貿易摩擦があった?
米中貿易摩擦が激化している昨今ですが、実は日米間においてもかつては激しい貿易摩擦が存在したのはご存知でしょうか?
今では蜜月の関係を築いている日本と米国もかつては犬猿の仲だったときもあったのです。
貿易赤字による貿易摩擦
日米貿易摩擦の経緯は日本が第二次世界大戦以降、経済成長と技術革新によって質の良い製品を作れるようになったことから端を発します。
当時は為替も今より円安で、日本製品は米国人からすると非常に割安であり、日本から米国への輸入が大量に増える事になったのです。
為替レベルは1ドルは360円台でしたので、米国人からしたら日本製品が現在の1/3以下で買えたという事になります。
その結果、米国ドルが日本に流入するという流れが続き、米国の貿易収支は赤字となってしまいました。
これを受け、米国国内ではジャパンバッシングといった日本製品の不買運動や日本製乗用車をハンマーで叩き潰すといった過激なパフォーマンスが行われるようになりました。

参照:日経新聞
日本バッシングに繋がった要因
なぜこのように、貿易収支の赤字がジャパンバッシングに繋がってしまったのでしょうか?
そもそも貿易収支とは輸出から輸入を引いた金額です。輸出が多ければ貿易黒字になり輸入が多ければ貿易赤字となります。
輸出が多いということは国内から海外へモノが輸出され、国内にお金が入ることになります。
そして輸入が多いということは国外からモノが輸入され国内のお金が出てていってしまうことになります。
つまり貿易赤字とは、自国からお金が海外へ流出してしまう状況になるのでそれだけ国内におけるお金回りが悪くなり経済が停滞してしまうことになるのです。
その結果、米国国民の生活も苦しくなりそういった社会的な不満が日本バッシングへと繋がり、米国人の反日感情に火が付いてしまったのです。
現在の日米貿易関係
現在は様子見?
それでは現在の日米貿易はどのような関係性となっているのでしょうか。
現在の状況は「様子見」といったところでしょうか。
というのも米中貿易摩擦が激化している中、米国側としても日本との貿易摩擦激化を避けたいと考えている為です。
特に日本と中国が協力し、米国に貿易交渉を迫ってくるのは米国にとって最も最悪なシナリオであるといえます。
日本も北朝鮮問題で米国に物言えず
一方、日本側も米国に対して貿易の関係性の改善を迫ることはできない状況が続いています。
というのも日本は北朝鮮問題をすべて米国に任せているためです。
今後、北朝鮮に対して米国が口を出さないという状態になれば、拉致問題やミサイル問題などが棚上げされ日本の地政学的リスクが高まることになります。
下手に貿易摩擦で米国に関係性を改善させることは、そういったリスクを生じさせる可能性を高めてしまうため、安部首相からもトランプ大統領に強く言えないという事になります。
【関連記事】米朝関係は今後どうなる?株や為替に与える影響をわかりやすく解説!
まとめ

現在は様子見が続いている日米の貿易関係ですが、今後この貿易関係が激化するという可能性は無きにしも非ずです。
北朝鮮問題で手一杯の米国ですが、この問題が落ち着きトランプ大統領が支持率回復のため強硬的な姿勢を日本に対して示す可能性がゼロでないからです。
むしろそういった保護主義的な考え方で支持を取ってきたトランプ大統領は、自身の支持率が下がればあえてそのような行動に出る可能性の方が高いとも言えます。
日米貿易摩擦が激化すれば、日本の輸出関連銘柄は間違いなく影響を受けることになり、日本の株式市場に大きな影響を与える事は間違いないといえるでしょう。
とはいうものの日本と米国の関係性よりも今は米国と中国の関係性の方が緊張感が高まっている状態です。
リスクとしては世界1,2位の経済大国同士の摩擦が高まれば高まるほど、それだけ市場リスクは上昇することになりますので、株式やFXで運用を行っている方は米中貿易摩擦の動向はしかっかりと把握しておくようにしましょう。
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