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ソフトバンク・ビジョン・ファンドとは
今回はソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF)について解説していきたいと思います。
SVFとはソフトバンクグループが運営するファンドです。
運用規模も10兆以上と大規模なものとなっており、現状SVFと呼ばれるものには2種類のファンドが存在しています。

参照:SB
投資期間は2017年11月の5年間となっており、存続期間も2017年11月から12年間となっています。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドを設立した理由
ソフトバンクグループ(以下SBG)がSVFを設立した理由はなぜなのでしょうか?
これはSBGの特異な経営方法に起因します。
というのもSBGは今まで様々な企業を、アーリーステージの段階で投資を行い、成長させ利益を上げてきたからです。
例えば中国大手のアリババや日本のYahoo!などです。今では有名になった2社ですが、まだ誰も知らない内にSBGはこれらの企業に投資を行ってきたのです。
ソフトバンクとその創業者でもある孫正義社長が保有するアリババ株の評価額は約500億ドル(約5兆2500億円)に上る。
ソフトバンクと孫社長が2000年にこのアリババ株を取得した時にかかった費用はわずか2000万ドルだったため、間違いなく過去最大規模の投資成功案件に数えられる。
引用:WSJ
このWSJの記事によると初期に投資した20億円が5兆円にと約2500倍なっているので、SBGはこの投資でとてつもない大きなリターンを得ていることになります。
その利益で更に企業を買収し、SBGは事業を発展させてきました。
このような経営は普通の企業では中々難しく、創業者である孫正義が率いるSBGだからこそ、可能となった経営方法だったといえるでしょう。
このような成功体験があるため、SBGは子会社としてSVFを設立したのです。
実際に2018年の上期では、世界経済が好調なこともあり、投資収益が本業のSB事業を上回っています。

参照:SVF
ただし、今回は投資先の利益が積みあがり、SBG全体の収益が上がりましが、当然投資先の企業がマイナスになるとSBGの営業利益も悪化することになります。
SBGに投資している方は、この点に注意が必要となるでしょう。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先と出資者
投資先はユニコーン企業やベンチャー企業

参照:SVF
SVFの主な出資先はユニコーン企業やベンチャー企業となります。
ユニコーン企業とは評価額10億ドル以上の非上場、設立10年以内の企業です。未上場で評価額10億ドル以上ってすごい企業ですよね。
ちなみにこのユニコーン企業は日本では少なく主に海外の企業となります。
◆ユニコーン企業の数
- 第1位:米国118社
- 第2位:中国62社
- 第3位:イギリス13社
- 第4位:インド9社
よってSVFの投資先も主に海外の企業となっています。
出資者は様々な企業やサウジ政府
このSVFはもちろんSBGのみの資金で運用するわけではなく、外部の資金を入れて運用を行っています。
◆出資者一覧
- ソフトバンクグループ株式会社(SBG) – 280億ドル・ARMの株式24.99%現物出資含む
- パブリック・インベストメント・ファンド(PIF) – 非開示(450億ドルと憶測)
- ムバダラ開発公社 – 非開示(150億ドルと憶測)
- Apple Inc. – 非開示(10億ドルと憶測)
- Foxconn Technology Group – 非開示
- Qualcomm Incorporated – 非開示(10億ドルと憶測)
- シャープ株式会社 – 10億ドル
- サウジアラビア政府450億ドル
これらの出資者からこれだけの資金を引き出すことができたのは、正に今までSBGが築いてきた信用と、孫正義会長のカリスマ性が成せるものではないでしょうか。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの目的は2つ
SVFの目的は主に2つあります。
①SBグループの収益の増加
一つ目の理由がSBGの収益の増加です。
先ほども説明しましたが、投資先の企業が大きな成長を遂げれば、グループとしても非常に大きな収益となり更なるビジネスの拡大をすることができます。
それだけ、投資事業は事業リスクに見合うだけのリターンがあるということになります。
SBGは携帯事業を子会社化したことからも、今後は投資会社としての色合いを強くしていくことは間違いないでしょう。
【関連記事】ソフトバンク(9984)の携帯会社が上場する理由はなぜ?孫正義は何を考えているのか?
②SBグループ内でのシナジー効果
二つ目の理由がSBG内でのシナジー効果です。
買収や投資した企業は、株主がSBGとなるため、投資先の企業と連携した多角的な運営を行うことが可能となります。
最近だとSBGは株式を保有するYahoo!と連携し、PayPayという新たなQR決済事業の会社を立ち上げました。
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このようにグループ内に新たな会社を入れることで、様々な事業を行うことが可能となるのです。
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