野村證券とは
野村証券といえば店頭証券会社の日本の大手です。
ネット証券専門で証券会社を利用している方は店頭証券会社がどのようなものかイメージしづらいかと思います。
店頭証券会社とは簡単にいうと株や投資信託のセールスマンが顧客一人一人について営業する証券会社の事です。
ネット証券と店頭証券会社の詳しい違いについては下の記事を参考にしてください。
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今回はこの店頭証券の大手であり、日本の証券会社の中でも最も収益を稼ぐ野村證券について紹介していきたいと思います。
野村証券の株価
まずは野村證券の株価を見てみましょう。
アベノミクスが始まり、日経平均株価が8000円から2万4千円と約3倍まで上昇したにも関わらず野村證券の株価は400円から1000円とレンジ内で推移しています。
株価は企業の業績や将来性を表していいますので、野村証券の株価が上昇していないのには理由があります。
私自身野村證券で働いていた経験から株価が伸び悩んでいる理由には3つの要因があると考えています。
野村證券HDの株価が伸び悩んでいる3つの理由
①顧客の高齢化
まず一つ目が顧客の高齢化です。
基本的に店頭証券会社の顧客層は高齢化に伴い60代後半と言われています。
そのため顧客がご子息に資産を相続させるに伴い、顧客の資産が流出するといった現象が日本中で起きているのです。
というのも今の若い世代は投資に対する危機感が非常に強く、相続された資産をあえて株式投資などで資産運用をしようと考えないからです。
こういったことから、顧客が高齢化するにつれて顧客自体の預かり資産がなくなり、収益が減少傾向にあるのです。
②人件費の高騰
また人件費の高騰も大きな問題となっています。
顧客基盤が縮小していく中でも、大規模な新卒採用を繰り返した結果、人件費が大きな重荷になっています。
実際に同業の大和証券やSMBC日系証券よりも野村證券の人件費は非常に高いものとなっています。
実際に野村證券の人件費がどれ程のレベルか下の記事にまとめましたので、参考にしてください。
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③ネット証券の登場
最後の要因がネット証券の登場です。
ネット証券が登場したことにより、店頭証券会社の顧客は徐々にネット証券へと流れつつあります。
実際に現在の出来高は店頭証券会社よりもネット証券の方が大きくなっています。
参照:SBI証券
これはデイトレーダーなど、売買を何度も繰り返す人たちがいるからです。
デイトレーダーが何度も売買を繰り返すことができるのは、ネット証券の取引手数料が低いからです。
今後はこの手数料の低さを武器にネット証券は更に顧客基盤を広げていくでしょう。
野村證券の今後
以上の事からも、店頭証券会社は今後、ネット証券にリテールにおける顧客基盤を奪われることになっていくでしょう。
しかし店頭証券会社はネット証券よりも投資銀行部門に力を入れています。
投資銀行といえばIPOの引き受けだったり、企業へのコンサルティング業務ですね。
特に野村證券はリーマンショック以降、欧州のリーマンブラザーズを買収しました。
よって今後、野村證券の株価を上昇させ、業績を引き上げるには投資銀行業務に力をいれ、欧米のゴールドマンサックスなどの投資銀行となる必要があるといえるでしょう。
実際に野村證券はカーライルと共に、オリオンビールにTOBを実施するというような投資銀行業務も行っています。
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投資銀行について詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてください。
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