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昨今増えてきたM&A
昨今M&Aが活発に行われています。
M&A調査のレコフデータの集計(公表ベース)によると、1~6月の日本企業による海外企業の買収は11兆7361億円と、前年同期の3.2倍に拡大した。
引用:日経新聞
年々増え続けるM&Aですが、企業はなぜM&Aを活発に行うようになったのでしょうか。
今回はこのM&Aのメリットとデメリットをわかりやすく解説していきたいと思います。
M&Aとは
そもそもM&Aとはmerger and acquisition(合併と買収)の略で、企業の合併や買収の総称です。
簡単にいうと既存の企業を他の企業が買い取る事をいいます。それでは具体的にM&Aの成功例と失敗例について見ていきましょう。
M&A成功例
最近成功したM&Aの一件にソフトバンクによるスプリントの買収案件があります。
ソフトバンクは、スプリントを買収したことによって日本とアメリカの顧客数はトップに躍り出ることができました。
加えて移動体通信事業の売上高は、世界で第3位にとなり業績も上向いていることからシナジー効果も発揮されており、正にM&Aの成功例という事ができるでしょう。
M&A失敗例
M&Aの成功例がある一方でM&Aにおける失敗例も存在します。
一例をあげるとRIZAPによる過剰なM&Aです。RIZAPは上場後、自社のサービスとは関係ない事業を片っ端から買収し続けました。
買収したはいいものの、買収した企業を黒字化することができず赤字を計上し、株価が暴落している状態になっています。
M&Aは企業を買収すれば必ずうまくいくというわけではなく、しっかりとした戦略に基づき、買収を行わないと自らの事業自体も危険な状態に陥ってしまうことになるのです。
更に詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】ライザップ(2928)の株価下落の要因は3つ?赤字になったのはなぜ!?
M&Aをするメリット
それではM&Aを行うメリットにはなにがあるのでしょうか?
事業規模を拡大できる
一つ目のメリットは事業規模を拡大することができるという事です。
先程のソフトバンクの例のように、買収により既存の顧客基盤を引き継ぐことができるため新しい市場におけるシェアを得ることができるのです。
事業拡大に必要な時間の短縮
また買収により、新しい市場シェアを拡大するために必要な時間も短縮できるため、いい案件があれば、企業側としても積極的に行っていきたいものなのです。
新規にテナントを借り、従業員を雇い、進出する土地のマーケティングを一からはじめるよりその地域に根付いた企業を買ってしまう方が費用対効果的にいいわけですね。
事業の多角化
また事業の多角化ができるというメリットもあります。
過去の例でいえばGoogleによるYouTubeの買収などです。Googleは元は検索エンジンを主体とした広告収入により、業績を上げてきた企業でした。
M&AでYouTubeを買収したことで、動画配信においても広告を配信できるようになり、Googleは事業の多角化を行うことができたのです。
これも成功例であり、M&Aのメリットであるということができるでしょう。
M&Aをするデメリット
一方M&Aをするデメリットも少なからず存在します。
買収企業の役員、従業員の退職
M&Aによる買収が行われると買収先の役員や従業員が退職してしまうというリスクが生じることになります。
彼ら従業員の技術を目的に買収したとしたら、買収後に彼らが退職してしまった場合はM&Aをした意味がなくなってしまうことになります。
このような事にならないためにも、事前の企業間の協議が必要不可欠となります。
負債の増加
またM&Aは非常に大きな金額が必要となります。
キャッシュがあれば問題はありませんが、基本的にM&Aは銀行や市場から資金を調達することによって行われます。
そういった意味でも過度なM&Aは財務リスクを引き上げることになります。日本ではソフトバンクがM&Aを繰り返すことによりかなり攻めた経営を行っています。
最近では新たな事業拡大のための資金を獲得するため、携帯事業を子会社化させました。
【関連記事】ソフトバンク(9984)の携帯会社が上場する理由はなぜ?孫正義は何を考えているのか?
攻めの姿勢は事業拡大において必ず必要となりますが、そのような経営を行っている企業の財務リスクは高まっているということだけは必ず認識するようにしましょう。
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