目次
日本の金利
現在の日本の金利水準
現在、日本はここ数十年間の間低金利が続いています。
ニュースなどのメディアでマイナス金利と騒がれていますが、このマイナス金利のおかげで住宅ローンなどを低金利で借りれることができます。
しかしその半面、銀行に預金しているだけでは金利がほぼつきません。
【関連記事】1年間銀行に100万円預金するとたったの〇〇円!?
日本の高度経済成長期、銀行に10年間預金しておけば、その預金額が2倍になるのが当たり前だったという話を年配の方から聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
しかしながら、今では10年銀行においてもすずめの涙程度にしかならず、むしろ物価の上昇による資産の目減り懸念の方が高くなります。
それではなぜ日本はここまで低金利となってしまったのでしょうか。
そもそも金利とはなにか?
それではまず、金利とはなにか考えてみましょう。
金利と言っても種類があり、皆さんが銀行に預金する預金金利、国が発行する国債などの金利、企業が発行する社債などの金利、中央銀行が発表する政策金利などです。
文脈によっても金利という言葉は、意味するものが異なり一般的に金利と言えば銀行に預けた時にもらえる金利を表すかと思います。
しかし、金融機関の人間が金利という表現を使う場合はその国の政策金利を示すことが多いのです。
というのも政策金利は銀行預金にも影響を与えますので、金融機関の人間はそういったことも含めてマクロ的な視点で経済をみているからです。
以上の事からも経済的な視点で「金利」を考える場合、その国の政策金利を見比べることをおすすめします。
日本が低金利となった2つの理由
それでは日本の金利が低金利となってしまった理由はなぜでしょうか?
日本がここまで低金利となってしまった理由は主に2つあります。
①日銀による低金利政策
まず1つ目の理由は中央銀行である日銀の低金利政策です。
日銀は1999年のゼロ金利政策により政策金利の誘導目標である無担保翌日物金利を0%近くに保っています。(無担保翌日物の金利が下がると、世の中全体の金利が下がる仕組みになっています。)
なぜ0%まで引き下げるかというとそのキャッシュを円滑に世の中に回すためです。
どういうことかというと、預けていても金利をもらえないなら企業や個人はそのキャッシュを設備投資や消費に向けるであろうと日銀は考えたわけですね。
しかし、現状では企業、個人共にキャッシュを使わずにただただ蓄えるという状態が続いています。
②日本人特有の預金思考
つまり現実は0%まで金利を引き下げたにも関わらず世の中の経済は活性化しなかったというわけですね。
この理由は、「預金をしておけば資産は絶対に安心だ」と考えている日本人特有の預金至上主義があったからです。
そういった事情から、日銀は0%の金利水準では事足りないと考え、この政策金利をマイナスに誘導するようになりました。
参照:楽天証券
マイナス金利になっても株価は上昇していますが、物価自体は上昇していません。それだけ日本人はキャッシュを銀行に残しておきたいと言う事ですね。
余談ですが、預金していたとしても実際のお金の価値というものは減少しているというのはご存知でしょうか。
なぜならば、経済成長することで経済はインフレーションが起きますので、必然的に通貨の価値は下落するからです。
インフレーションとは通貨の価値が下がり、物価が上がることでしたよね。
通貨の価値が下落した分、土地や株価、物の値段などが引きあがるり、額面は変わりませんが実際の円の価値は毀損しているということになるのです。
つまり銀行に預けたお金で買えるモノが相対的に少なくなってしまうといった現象が起こるわけですね。
詳しくは下の記事を参考にしてください。
【関連記事】預金の価値は何もしなければ減る?資産運用をしなければいけない理由
今後の日本の金利はどうなるの?
日本の金利の今後を考える前に各国の政策金利をみていきましょう。
米国は利上げ終了
米国は2019年末に段階的に行っている金利の引き上げを終了する予定です。
米国も日本と同様、政策金利を引き下がてきましたが、米国経済は堅調で金利を引き上げられる水準まで回復したということです。
この利上げはいわゆる金融引き締めと呼ばれるものですね。
つまり中央銀行は低金利政策を行って景気がよくなると、金利を引き上げ世の中に出回っているお金を吸収しようとします。
中央銀行が政策金利を引き上げると、米国10年債の利回りも連動して上昇しているのが下の図からも見て取れるかと思います。
国債の利回りが上がれば、市場参加者は利回りの高い国債を買い、市場の資金は吸収され結果、金融引き締めとなるということですね。
米国の金利引き上げによる世界への影響は下の記事を参考にしてください。
【関連記事】米国利上げによる新興国経済の今後は!?2019年以降は中国、インドが成長?
景気が悪くなれば米国は利下げする可能性もある!?
米国は今まで利上げを引き上げつつ、金融引き締めを行ってきましたが経済指標の悪化や株式市場の大幅な下落などが起これば当然FRBは利下げを行います。
特にトランプ大統領が金利嫌いだということを公言していることからもFRB理事長であるパウエル議長がトランプ大統領に屈し、利下げをすることも十分に考えられます。
今後も景気の動向次第では利下げが継続して行われる可能性が高くなっているということですね。
本来であればFRBは政府から独立している機関であるべきなのですが、トランプ大統領はその独立性を考慮しないような発言を繰り返していますので、十分に注意する必要があるでしょう。
ただし金利が下がれば株式市場は上昇するので、株式運用をされている方にはプラスかもしれませんね。
ECBも利上げ開始予定
ECBは現在QE(資産購入プログラム)を実行中です。利上げ前に資産を買い入れ、市場に資金を流入させている状況です。
この点は日本と同じですが、おそらくQEが終了する2018年の翌年、2019年より政策金利を引き上げていくと考えらます。
ECBの利上げが終了し、欧州の金融政策緩和が縮小した段階で、日本の利上げも始まるでしょう。
ECBが政策金利を引き上げる来年以降はユーロ高が予想されますが、現在ブレクジットの交渉でECBはイギリスと揉めている状態ですので、ユーロ高になりつつもユーロの不安定な動きが続く可能性が高いです。
ユーロやポンドで取引をされる方はボラティリティーに注意しましょう。
【関連記事】イギリスは今後どうなるの!?ブレクジットによるEU離脱後に想定される3つの事とは?
【結論】日本の金利が上がるタイミングは….
それでは日本の金利はいったいいつになったら上がるのでしょうか?
結論を申し上げると日本の金利が上昇するのは2020年以降となります。
というのも2020年以降はオリンピックが終わり、不動産バブルもはじけ、利上げによる金融引き締めで株式市場も非常に苦しいものとなっていくことが予想されるからです。
具体的には株式市場が下落しているにも関わらず、利上げをしていかなくてはいけないという非常に厳しい環境になることが予想されます。
更に日本においては少子高齢化問題なども枷となってくるため、老後の資産を築くにあたり、自分の資産は自分で守れるような知識と経験を今から身につけていくことが必須といえるでしょう。
日本の今後については下の記事を参考にしてください。
【関連記事】今後50年間に日本で起こるであろうことは事は4つ
コメントを残す