目次
新興国経済の現状
今回は米国の利上げによる新興国経済の今後について説明していきたいと思います。
新興国の今後について考える前にまずは新興国経済の現状から考えていきましょう。
現状は米国の利上げで苦しい状況に
現在、米国の利上げにより新興国経済は非常に苦しい状況に追い込まれています。
通貨ベースで見ても対ドルベースでの新興国通貨の下落は一目瞭然です。
参照:日経新聞
特にトルコリラの下落が激しく、新興国全体の株式市場も冴えません。
トルコリラの大暴落
トルコリラの下落は政治学的な要因や地政学的な要因が原因ですが、今後も更なる下落の可能性は十分にあり得ます。
仮にスワップ目的でトルコリラを保有している方がいれば十分に注意しましょう。
詳しくは下の記事を参考にしてください。
【関連記事】トルコリラが急落している原因は3つ!トルコリラ10円割れも十分ありえる
米国が利上げすると新興国が苦しくなるのはなぜ?
そもそもなぜ米国が利上げすると新興国が苦しくなってしまうのでしょうか。
資金が米国に還流
結論からいうと米国が利上げをすると、米国に資金が還流してしまうというのが主な要因となります。
米国が政策金利の引き上げを行うと、当然ドルの金利も上がります。ドルの金利が上がるということはドルの魅力が増すということなので、新興国通貨を売りドルを買うという流れが起こることになるのです。
というのもリーマンショック以降、米国は自国経済を回復させるために政策金利を0%近くまで引き下げました。
その結果、ドルの魅力がなくなり比較的金利が高い新興国の通貨が買われたのです。しかし現在はFRBにより米国の政策金利は段階的に引き上げられています。
すると今まで金利目的で買われていた新興国通貨の魅力も半減し、新興国通貨が売られ、ドルが買われているといった状況になっているのです。
結果、新興国は自国通貨安からの株安、そして経済の低成長といった悪循環に繋がってしまいました。
新興国経済の今後
2019年以降は成長見込み
新興国経済は2019年末を目途に回復していくはずです。というのも2019年末にFRBの段階的利上げが終了すると考えられているからです。
FRBの利上げが終了すれば新興国が米国の金融政策によって経済を振り回されるようなことはなくなるでしょう。
なかでも人口も多くまだ若い労働力である人材が多い、中国とインドの成長が見込まれますね。
2020年以降、中国やインドを新興国だという人は誰もいなくなるでしょう。
米中貿易摩擦がカギ
ただし米中貿易摩擦などのリスク要因もあるため、必ずしも経済成長するとも言い切れません。
1990年代の冷戦のように中国と米国の関係が悪くなれば当然世界景気自体も落ち込んでしまうでしょう。そうなるとやはり今後の米中貿易摩擦の動向は注意深く見ていく必要がありそうですね。
貿易摩擦については下の記事を参考にしてください。
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