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物価上昇による経済への影響!?
物価が上昇すると経済にどのような影響を与えるのでしょうか?
今回は物価上昇による経済への影響について考えていきたいと思います。
物価が上昇するとドル高円安に
まず物価が上昇した場合は、ドル高円安になります。物価の上昇とはモノの価値が上がることであり、モノの価値が上がるということは通貨の下落を意味するからです。
例えば今まで100円で買えていたジュースが、今は200円出さないと買えなくなってしまったとします。
その場合、今までの2倍のお金を支払わなくてはいけないので、円の価値は実質的に半分になってしまったといえます。つまり円の価値が下がったということになります。
円の価値が下がるということは、円は相対的にドルに対しても弱くなってしまいます。
そしてドルに対して円の価値が下がるということは、相対的なドルの価値を引き上げ、ドル高円安となります。
ドル高円安になった際の経済への影響を詳しく知りたい方は下の記事をご参考ください。
物価が上昇する3つの要因
物価が上昇する要因として次の3つの要因が考えられます。
- 中央銀行による金融緩和
- 輸入物価の上昇
- 国の財政問題や政治的リスク
中央銀行による金融緩和
まず1つ目が中央銀行による金融緩和です。現在、日本においても日銀による金融緩和が行われています。
日銀が日本円を発行し、市場に資金を流入することによって物価を上げる政策です。日本では実際に日銀の金融緩和で余った資金が株や不動産に向かうことにより株価や不動産価格が上昇しています。
このような中央銀行による金融緩和は物価を引き上げることに繋がります。
輸入物価の上昇
2つ目の要因は輸入物価の上昇です。円安によって輸入物価が上昇し物価が上昇することもありますが、原油価格などのエネルギーコストの上昇もまた物価を押し上げることになります。
原油価格が上昇すると企業の生産コストを上昇させてしまうので、上昇した分のコストは我々が購入する製品に上乗せされることになり物価上昇に繋がります。
国の財政問題や政治的リスク
国の財政問題や政治的なリスクは自国通貨の下落によって国内物価を引き上げるケースがあります。
最近では米国とトルコとの政治的な問題でトルコのリラが下落しています。リラの下落によりトルコでは消費者物価指数が24.5%も上昇している状態です。
トルコ統計局は3日、9月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比24.5%上昇したと発表した。米国人牧師拘束問題を原因に通貨リラが急落した8月の「トルコショック」が響いた。
引用:日経新聞
参照:日経新聞
このように国自体のリスクは通貨下落を招き、国内物価を上昇させる要因になるのです。
トルコの現状について詳しく知りたい方は下の記事をご参考ください。
物価上昇による家計や企業への影響
物価が上昇すると家計の負担に?
物価が上昇すれば、我々が買う日用品の価格も上昇するため家計にとっては負担が大きくなることはイメージできるかと思います。
しかし物価上昇は、過度な上昇でない限り一概に悪いものとはいえず、むしろ経済にとってプラスの影響を与える面もあるのです。
物価上昇により企業業績UP
物価上昇により企業は製品に価格を転嫁することができるようになります。
製品価格が上がればそれだけ売り上げが上がり、企業業績を底上げするので健全な国内物価の上昇は経済成長へと繋がるのです。
家計も潤い国内の景気がスムーズに
企業業績が上がれば給与として家計の収入が増えます。
収入が増えれば消費も増えるので、更に企業業績が上がり経済を循環させることになります。
実際に日銀も国内物価の上昇を年2%に設定し、現在の金融政策を実施しています。(なかなか2%の水準まで上昇していませんが)
このような事からも経済が成長する過程において、物価上昇は不可欠な要素であるといえるでしょう。
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