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トレードにおける損切り
トレードにおける損切りとは、本当に辛いものです。
含み損を抱え、いつかは戻るだろうとひたすらポジションを持ち続け大損する。
私も何度も繰り返し自己嫌悪に陥りました。
しかし、この行動は人間らしい一種の本能によって起こっている現象なのです。
本能によって生じる心理的な事象とは
この本能は、プロスペクト理論というものに基づいて生じている心理的な事象なのです。
よって投資においてなぜポジションを塩漬けしてしまうのかといった事をこの理論で説明する事が出来ます。
今回はなぜ投資でポジションを塩漬けしてしまうのかといった事をプロスペクト理論に基づいて説明していきたいと思います。
なぜプロスペクト理論を知る必要があるのか
この理論を知る事が出来れば、投資において自分の状況を冷静に判断できるようになるからです。
損をした時に感じる心理的苦痛もプロスペクト理論で説明できる心理的事象だと認識することができれば、より客観的に投資判断を下す事が出来るのです。
そんな理論を学んでも仕方ないじゃないかという声も聞こえてきそうですが、実際に証券アナリストの試験でもプロスペクト理論が出題される事があります。
投資において心の持ちようや考え方というものは、投資パフォーマンスに非常に大きな影響を与えるのでこの機会に学んでおきましょう。
プロスペクト理論とは
それではまずはwikipediaでプロスペクト理論の解説を見てみましょう。
不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。
引用:wikipedeia
ということです。分かりづらいですね。
つまり利益を得るか損をするかといった不確定な状況下において、人はどのように意識決定をするかといったことを説明するモデルということです。
損失回避の心理
このプロスペクト理論の肝に 「損失回避の心理」というものがあります。
具体的にどういうものか解説します。
人は、利益を得る場面では 「確実に手に入れること」 を優先し、反対に損失を被る場面では 「最大限に損失を回避すること」 を優先してしまう傾向にあるというものです。
つまり人間は 得をするか、損をするかといった不確定な状況下において得をすることよりも 損をしたくないという気持ちの方が強い生き物というこです。
実際の投資における「損失回避の心理」バイアス
それでは実際の投資において損失回避の心理はトレードにどのような影響を与えるのでしょうか?
結論から言うと損失回避の心理が働いた場合、投資家の利食いと損切りは「損大利小」となってしまいます。
つまり損切り幅を大きくしてしまい、少しの含み益で利益確定してしまうという事ですね。
損失を大きくしてしまう理由は損失回避の心理が働いてしまうためです。
損切り=損失確定なので、その損失を回避するためにはポジションを持ち続けるしか損失を逃れる方法がなく、意図せぬ方向へ相場が動いた際には塩漬けとなってしまうのです。
この投資において一番の失敗である塩漬けを避けるためには、自分が損失回避の心理に陥っていると認識した上で、その本能に逆らった損切りが必要になってくるのです。
この本能に逆らうという行為を無意識にできるように訓練したのが、プロの投資家です。
なぜ損大利小になってしまうのか?
損大利小に陥ってしまう理由は、人がトレードを行う際、利益を得られる場面では 「確実に手に入れること」 を優先し、反対に損失を被る場面では 「最大限に損失を回避すること」 を優先してしまう傾向にあるからです。
これは人間が利益の価値を過小評価し、損失の価値を過大に評価してしまうといった特性を持つために生じる傾向です。
例にして表すと、同じ100万円の利益と100万円の損失では感情に受けるインパクトは100万円の損失の方が大きくなるということです。
参照:EBIS MARKETING COLLAGE
上の図を見ると「利得」の方では100万円以上の利得が生じても価値が上がっていないことが分かると思います。
一方「損失」の方を見ると損失が拡大すると、更に価値が変動しているのが分かると思います。
この図のように損失が生じた際の感情への負担は、利益以上のものとなってしまうため人は損切りできなくなってしまうのです。
損失は感情に負担があるものだと認識する。
説明してきたように損失は感情に大きな負担を与えます。
感情に大きな負担を与えるもだと認識すれば、感情に任せて塩漬けせず理性で損切りを行うことが可能になります。
すぐに実行するのは至難の技だとは思いますが、損切りできなくなってしまった際はこのプロスペクト理論の話を思い出してください。
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