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日本の為替相場は円高から円安傾向へ
アベノミクスによる円安誘導
日本はアベノミクスが指導し、2013年から量的緩和政策を開始しました。
量的緩和政策とは、日銀が積極的に国債を買い入れることで市場にマネーを供給し、インフレ期待を生じさせることで、企業の設備投資を促して経済を活性化させるというものです。
量的緩和では市場にマネーが流れるということになるので、それだけ円の相対的価値が下がることになります。
市場に多く出回る製品が値下がりする事はご存知だとは思いますが、通貨も例外ではなく価値が下落するのです。
つまり円安となります。
円安になると輸出企業は儲かり海外から外貨が流れ込んでくる流れが生じます。
すると海外では貿易赤字の要因となりますので、海外政府からの批判され関係性が崩れることもあります。
米国と中国が正に現在そのような関係性にありますね。
【関連記事】【2019年版】米中貿易摩擦で中国経済は今後どうなる!?中国経済の今後は?
よってアベノミクスによる金融緩和は米国に頭が上がらない政府にしては非常に思い切った政策をしたという意見が多々あるのです。
かつてない金融緩和によりアベノミクス前には80円台だったドル円相場は現在111円近辺で推移しています。
参照:Yahooファイナンス
円安になった分、企業収益が増してる訳なのですが、それで我々の給料も右肩上がりに連動しないという点は痛いところです。
また円安から円高にもどるのか!?
海外旅行好きな方や外国製品が好きな方はまた円高に戻ってほしいと考えている方もいるかもしれません。
しかし、現段階で考えられる日本の状況から考えると今までのように円高に戻るという可能性は非常に低いです。
それではなぜ日本は今までのような円高環境に戻らない状況にあるのでしょうか。
円高に戻らない3つの理由
これまでの円高に戻らない理由は3つあります。
- 日米金利差の拡大
- 日本の財務状況
- 新興国の発展
それでは順を追ってみていきましょう。
①日米金利差の拡大
1つ目の理由は日米金利差の拡大です。
日本の政策金利は0%であり、一方のアメリカは2%程に調整しています。
これはつまり日米に金利差が約2%程あるのです。
具体的に言うと日本円で1年間100万円を銀行に預金した場合、金利をもらうことができません。
しかし米ドルで1万ドル(ここでは100万円とします)を保有した場合、2万円の金利が付くことになるのです。
そうなると必然的に金利がもらえない円を売って金利がもらえるドルを買うといった流れが起きますよね。
更にアメリカ中央銀行FRBは年度末までに段階的な利上げを示唆しており、一方の日本は利上げの目処も立っていない状況です。
こういった背景から日米の金利差は拡大し、円安ドル高圧力となっているのです。
②日本の財務状況
二つ目の要因は日本の財務状況です。
現在の日本の債務残高は1000兆以上です。これは国民一人当たりで計算すると800万となります。
日本のGDPが年間500兆円なので、対GDPでも200%以上という驚きの負債額になっています。
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今後も少子高齢化の中で医療費や社会保障費が増え、債務残高は積みあがっていくでしょう。
債務残高が増えるとデフォルトリスクが上昇します。
デフォルトリスクが上昇することにより、その国自体の信用力は低下することになるので国の信用で成り立っている通貨自体の価値も下落することになるのです。
国がなくなれば、その国の通貨は無くなりますので、国の信用と通貨の価値は連動しているのです。
結果、円は売られることになり日本の財政を長い目で考えると円安圧力となります。
ギリシャなど財政破綻しそうな国のせいでユーロが乱高下したことから考えても財政リスクは、為替に大きな影響を与えていることが分かるのではないでしょうか。
③新興国の発展
3つ目の要因は新興国の発展です。実名を挙げると中国など新興国の発展です。
新興国が発展することにより、それらの国の経済は潤うことになります。
経済成長すると通貨の価値は上昇しますので、新興国通貨が上昇することによって円の価値は相対的に下落することになるのです。
また中国当局は元の価格調整をおこなっていますが、今後元の市場を開放するようなことになれば市場参加者は元を買い求めるようになるため、いっそう円の価値は下落することになります。
今後は更に円安ドル高の流れに
1ドル=300円台も十分にありえる
個人的には今後1ドル300円台まで円安が進む可能性は十分にあると考えています。
過去1949年、日本が固定相場制だった頃は1ドル360円という時代もあったのです。
過度な円安が進んだ場合、海外からの輸入コストが上がりますので、国内ではインフレーションが起こることになります。
そのようなインフレ環境下では円建ての資産の価値が目減りしてしまうような自体が到来する可能性も0ではありません。
そうなった場合に対応できる金融リテラシーを今のうちに身につけておきましょう!
インフレ下においての資産の守り方↓
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